イケメン王子の花メイド
「…また突然に…」
「響子様は先程社長室へ向かわれました」
「……そうか」
はあ、と短く溜息を吐いた棗様。
棗様と響子様はどんな会話をされるんだろう。
社長と響子様の会話も気になるけど。
…家族三人で話したりするのかな。
「夕食は?…母さんも一緒に食べるのか?」
「あ、いえ!響子様は会食があるとかで…」
「そうか。あの人はいつも忙しいからな」
棗様はそう言って再び歩き出す。
その背中が、少しだけ寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。
……というか、棗様って〝母さん〟って呼ぶんだ。
お袋とかかと思ってたけど、なんか良いなぁ。
……て、またにやついちゃってた!
私はほんとに変態か!