イケメン王子の花メイド




到着すると、何名かの使用人が出迎えて下さっていた。

長く伸びた庭の道を進み大きな玄関へ辿り着くと、そこには綺麗な女性が着物を召されて立っているのが見える。


そして、その隣には見覚えのある少女が――





「ようこそ、いらっしゃいました。
響子様、そして棗君」






美しく切りそろえられた黒髪に透き通るような白い肌。

周りの人を魅了してしまうような可愛らしい笑顔をこちらに向けている美少女。



――え……

……綾小路様!?





「御足労頂きまして、誠にありがとうございます。
お初にお目にかかります、私は綾小路久美子の母でございます」




綾小路様の隣に立っていた美しい女性は、可憐な声でそう言ってお辞儀をした。


……綾小路様のお母様もお美しい。



って、それよりも!

まさか、棗様の婚約者って……綾小路様のことだったの!?


小道製菓って、綾小路様の会社だったんだ!



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