イケメン王子の花メイド

君の為に









「どこか見たい所あるかい?」


「……い、いえ!私はほんとになんでも……!」




ある日の昼下がり。

私はとんでもない状況に緊張しまくっておりました。




「ごめんね、ずっと前から行こうと思ってたのに中々時間とれなくて」


「めめめっそうもないです!」




綺麗なジャケットを素敵に着こなす社長は慌てふためく私に穏やかな笑みを向けてくださる。



本日は社長と2人っきり(横山さんも同行)でお買い物に出掛けております。


以前、社長が私に「服を買ってあげたい」と申されていたのを棗様から伺ったことがあった。

大変嬉しいことだったのですが、まさか実現するとは夢にも思わず……。



恐れ多いですが、私も今日はメイド服ではなく私服で参りました。




「ひとまずあのモールに行こうか。気になる所は好きなように見てくれて構わないからね」


「……はいっ」




優しい笑顔が私の心を温めてくれる。


せっかく社長がこのような機会を設けて下さったんだから、今日は私もしっかり楽しまなきゃ。


社長にも楽しんで頂けるように……!



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