イケメン王子の花メイド
平日は休日に比べてモール内の人がまばらですごく歩きやすい。
私と社長は度々お店に入っては試着をしたりしていた。
主に私の。
「い、いかがでしょうか……」
「うん、すごく似合ってるよ。横山、これも買おう」
「承知致しました」
……こんな感じで、社長は私が試着した服をほとんど購入なさっていた。
ほんとにメイドの私がここまでして頂いていいのだろうか……。
「私……そんなに買って頂いても着る機会が多くないので……」
「いいんだよ、きっとこれから増えるからね」
「……え?」
「ほとんど私の要望だから、花ちゃんは気にしなくていいよ」
「……は、はい……」
こんな風に言われてしまったら、もう何も言えない。
実際、すごく可愛い服ばかり買って頂いてるし。
これを着てお出掛けすることを想像すれば、自然とワクワクしてくる。
本当にありがたいことです。
「それじゃあ次の店に行こう」
「はいっ」
社長が満足されるまで、私はとことんマネキンに徹します……!