イケメン王子の花メイド
「花ちゃんも私のことは覚えてなかったから、少し時間を空けて話そうと思ってて。
どこかの会社の社長が、強引にメイドとして雇ってきたっていう方が花ちゃんもあまり気を遣わなくて済むかなって」
「……そうだったんですね」
「私は君の家族が好きだった。幸せになって欲しかった。
……だから、お節介なことしちゃった」
「お、お節介なんて……とんでもないですっ」
私は社長に救われて、雇って頂いて、
本当に今幸せなんだ。
社長があの時声を掛けてくれなかったら、私はまだ叔母さんとも打ち解けられなかったかもしれない。
棗様や、茜さん達にも出会えてなかった。
今私が感じてる幸せは、全て社長がきっかけなんです。
「社長が私の両親を知って下さっていたって分かって……本当に安心しました」
両親をこんなに大切に想っていたのは、私だけじゃなかった。
こんな近くに、いたんだ。
「そうかい……それなら良かったよ」
「本当に何もかも……ありがとうございますっ」
「だからこれからは私のこと、親戚くらいに思ってもらっていいよ」
「……えっ!?いえいえそれはさすがに……!」
私が慌て出すと、社長は素敵な笑顔を私に向けて下さった。
少しだけ照れる。