イケメン王子の花メイド
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「わぁ!おめでとぉ!」
棗様の専属メイドになったことを茜さんに報告すると、彼女は満面の笑みで私を抱き締めた。
「そうなるだろうとは思ってたわぁ」
「わ、私に務まるでしょうか…」
「そんな弱気になるようなら務まるものも務まらないわよ」
と、不意に前川さんが私を鋭く見つめる。
ギクリと心臓が固まり、少し変な汗が流れた。
…その通りだ。
「す、すみません…」
「棗様の専属メイドになったからには、しっかり尽くしなさい」
そう言ってツカツカと華麗に歩き出す前川さんの背中を私はじっと見つめた。
つ、尽くします!
そして今日もかっこいいです!
「…あ、そういえば茜さん。横山さんに呼ばれたのはなんだったんですか?」
ふと思い出してそう尋ねてみると、茜さんはきょとんとした。
そしてポッと顔を赤く染める。