イケメン王子の花メイド
* * *
「…なんだこれ、糊みてぇ」
「っ!有馬くんっ」
せっせと一人、キッチンにてお菓子を作っていたところに突然有馬くんが背後に現れた。
有馬くんは私が作っていたカスタードをぺろりと食べる。
「宮本って料理下手なんだな」
「うぅ〜…なんでこうなっちゃうんだろ〜…」
有馬くんのストレートな言葉にしょぼんと落ち込む私を見て、有馬くんは少し表情を和らげた。
「…そんなとこもいいけど」
「…へ?」
「別に」
有馬くんって、よく分からない。
私に厳しい言葉とかよくぶつけてきて、私のこと嫌いなんじゃないかなぁって思ったりするけど。
…たまにこうして優しいこととか表情を向けてくる。
よく分かんない。