イケメン王子の花メイド
「…あっ、茜さんと有馬さん」
と、そこへ食器を持ってキッチンへとやって来た花ちゃん。
もうお茶会は終わったのかしら。
私はパアッと笑顔を向けて、花ちゃんのそばへ行く。
「花ちゃんお疲れ様ぁ!どうだった?お茶会っ」
「ありがとうございます。とっても楽しかったですよっ」
「そういえば棗様がお茶会開いてたな」
「そうなんです。何事もなく終わって良かったです」
花ちゃんたら、すっかりメイドらしくなっちゃって。
指導係として、とっても嬉しいわぁ。
……横山さんも、ここまでメイドとして成長出来た私を褒めて下さるかしら…。
「いうほど成長してないだろ」
「な、何よ有馬くんっ!」
有馬くんたらほんと意地悪っ。
…でもまあ確かに、私全然成長してないかも。
未だに失敗ばっかりするし、お料理だって上達しないし。
……うぅ、もっと立派になりたーい!