イケメン王子の花メイド
お母さんとよく来た公園。
思えばたくさん思い出がある公園だ。
大好きな公園。
そこに棗様が来てくれて、なんだかすごく嬉しい気持ちになる。
「花はよくここに来てたのか?」
「…はい。お散歩にもよく来てました」
「ふーん」
すると、ポンと私の頭に棗様の手が乗っかった。
驚いて棗様を見上げると、彼は少し照れ臭そうに私を見つめていて。
「…思ってること全部話してみろよ。思い出とか、両親のこととか」
「……え」
じわぁっと心があったかくなっていくのを感じた。
どうして棗様は、こんなにも私を落ち着かせてくれるんだろう。
なんで今頭の中がいろんな思いでグチャグチャなのを、分かってくれたんだろう。
……話してみよう、棗様に。
全部、聞いてもらおう。