キミが、好きです ~茜色の空の下~
□告げられた残りの時間
+++叶多side+++
時間が経つのは早くて、
気づいたら放課後だった。
――拓に宣言したから、
今日家に帰ったら
俺は……莉歩に言わなくちゃいけねぇ……。
絶対、泣かれるよな……。
母さんにも、怒られるかもしんねぇけど。
少しは、俺の気持ちも尊重してほしい。
「…こころ、帰ろ」
俺はこころの席に行って、そう言った。
「ごめん……、叶多くん今日部活あると思ってて……委員会の仕事、引き受けちゃった…」
申し訳なさそうに言う、こころ。
「じゃー、先帰るな?」
こころは頷いて、笑顔で『また明日』と言った。
やっぱり……この笑顔が、好きだ。