キミが、好きです ~茜色の空の下~
美咲……どこにいるんだろう。
体育館裏?
屋上?
空き教室?
……あたしはとりあえず、屋上に向かった。
「あっ。こころちゃーん!!」
階段を昇っていると、
下から声がした。
「マユちゃん!…どーしたの?」
1年のときに同じクラスだった、女の子。
くりっくりの瞳で、
栗色のツヤがある長い髪。
男子からは、人気の可愛い女の子。
「さっきね、美咲ちゃんが怖い先輩と
体育館に向かってたよ。
何かあったの?」
「ちょっと、ね。
ありがとう、マユちゃん」
『体育館に向かってた』
ってことは、体育館裏かな…?
あたしは、マユちゃんにお礼を言ってから
昇っていた階段を、駆け降りた。