キミが、好きです ~茜色の空の下~
「あたしもね?
叶多くんの笑った顔……好きなの。
心が暖かくなるんだ」
告白のときも、
言い合ったっけ……。
あの頃は、それよりも
『好き』と言われたことが大きかったからなー…。
新しく、記憶に深く刻まれて良かった。
こんな言葉忘れたら、
勿体ねぇし。
「嬉しい」
「本当?
あっ、あたしも…プレゼントがあるんだ。
あとね、1人用なんだけど。ケーキ買ったよ!!」
楽しそうなこころは、冷蔵庫からケーキを持ってきた。
「はい、コレ……」
そして、近くにおいてあった袋からこころが出したのは
マフラー。
「手編み?」
「うん、重いかなーって思ったんだけど。
あたし……裁縫が得意だから」
重くなんてないし。
「すげぇ嬉しい」
むしろ、こんくれぇがいい。
こころと会えなくても、
近くで感じられるから。