キミが、好きです ~茜色の空の下~
□別れの冬
+++こころside+++
いつも通りの朝。
教室に行くといつもみたいに、
叶多くんはいるんだ。
ただ、少し違うことがある。
いつもなら『おはよ』って笑顔で言ってくれるのに、
今日は下を向いていて、なんだか暗い。
「……叶多くん?どうかしたの?」
あたしの一声に、叶多くんは
我に返った様子。
「あぁ……悪ぃ、ちょっとボーッとしてた。
おはよ、こころ……」
何か、引っ掛かる。
叶多くんは、あたしの好きな笑顔じゃなくて
それの偽物の、作り笑いなんだもん………。