キミが、好きです ~茜色の空の下~
でも、疑問がありすぎて
口に出せたのは『なんで?』だけ。
「ごめんな、こころ……。
無理なんだよ。
――――じゃあな」
悲しそうに笑った叶多くんは
教室から出ていってしまった。
追いかけようにも、
叶多くんは走って行ってしまったのか
廊下にはいなかった。
そして、不思議と……涙はでなかった。
あんな悲しい笑顔をさせちゃったあたしは
何が悪かったの…?
いつだって、
心の中には………叶多くんしかいなかった。
きっと明日なら、話せる。
ちゃんと理由を聞く。
あたしの気持ちを、伝える。
そう、決めたのに…――――――。
叶多くんは、どこに行ったの……?