キミが、好きです ~茜色の空の下~





――――ガタッ。



あたしは勢いよく席を立った。



みんなの視線が集まったのは一瞬で、


みんなはすぐに俯いた。






「か、叶多くんは……?なんで……」



「吉岡、知らなかったんか?
南は九州に引っ越したんだよ」





叶多くんは………九州に引っ越した……?






「そんなの、聞いてない……!
みんな、知ってたの…?」




美咲までもが、


あたしから目を反らす。









知ってて……言わなかったの…?




なんで、どうして……。





昨日、決めたのに。




理由を聞いて、自分の気持ちを伝えて………。





なのに、もう話すことさえできないの……?







「………なんで」





頭の中にある疑問は

何をしても解決しない。






彼がいなきゃ、解決しない…………。














< 214 / 260 >

この作品をシェア

pagetop