キミが、好きです ~茜色の空の下~
――――ガタッ。
あたしは勢いよく席を立った。
みんなの視線が集まったのは一瞬で、
みんなはすぐに俯いた。
「か、叶多くんは……?なんで……」
「吉岡、知らなかったんか?
南は九州に引っ越したんだよ」
叶多くんは………九州に引っ越した……?
「そんなの、聞いてない……!
みんな、知ってたの…?」
美咲までもが、
あたしから目を反らす。
知ってて……言わなかったの…?
なんで、どうして……。
昨日、決めたのに。
理由を聞いて、自分の気持ちを伝えて………。
なのに、もう話すことさえできないの……?
「………なんで」
頭の中にある疑問は
何をしても解決しない。
彼がいなきゃ、解決しない…………。