キミが、好きです ~茜色の空の下~

――――ガチャ。



家にも、誰もいなくて良かった………。




「…うわぁぁぁぁあ」



泣き叫ぶことしか、できない。



会いたくても、会えない。




「…あ…電話…」



連絡手段は１つだった。


バックの中から携帯を探す。






美咲と西森くんからの着信履歴がいくつもあった。






電話帳の…『か行』……叶多、くん………。




勇気を出して、発信ボタンを押した。



《プルルルっプルルルっ……ピッ》


え、出た？






「もしもし、叶多く……」


《お掛けになった番号は、現在使われておりません…―――》



耳に入ってきた声は、





機械的な女の人の声だった…―――――。