キミが、好きです ~茜色の空の下~






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七年後の春…―――。



あれから、キミはあたしの呼び掛けに

一度も答えてくれなかった。

会えなかった。








―――そんなとき。
あたしは、看護師を目指していた。




なんでなりたかったのは、簡単な理由。



『みんなに笑顔になって欲しいから』



ただ、それだけ。







―――高校三年生のときから、



いつも美咲は言った。


『忘れて、進みなよ』って。






無理なんだよ、忘れられないの。





そんな脱け殻状態のあたしを、



唯一生きているような感覚にさせたのは


『目標』があったから。
















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