キミが、好きです ~茜色の空の下~
■再会の春
今年で、あれから十回目の……春が来た。
「ココちゃん、“鶴”ってどーやって折るの?」
1人の女の子に呼び止められ、私は折り紙を受け取った。
「んー?いくよー……、ここをこーやって………」
『完成!』と見せると、
女の子……絢(アヤ)ちゃんは、
嬉しそうに笑った。
―――泣くことの多い、この病院で。
私は、みんなに笑顔を届ける。
『どんなに辛いことがあっても、笑えばいいことがある』
って、昔誰かが言ってた気がする。