キミが、好きです ~茜色の空の下~
私の中では止まっていた時間。
だけど、彼の中では……
動いていたんだ。
そりゃ、そうだよね。
別れを告げられたんだから、
彼の中で…………私は終わったのだから。
「あっ、吉岡さーん。
このリハビリ日程表、507の患者さんに渡してくれない?」
涙を拭った。
「はい、分かりました!」
先輩の看護師さんに渡された日程表を
言われた号室の人に届けにいく。
その間も…………
頭の中では、
彼の残像が残っていた。