キミが、好きです ~茜色の空の下~







「ありがとう、こころ……」



「………」

「………」



お互い、久しぶりすぎて



変な沈黙になってしまう。





「…あのさ」



だけど私は、その沈黙を破った。




十年間、ずっと


聞きたかったことがあるから。





「……私のこと、嫌いになったの?
だから別れたの……?
理由、聞きたかったのに……いなくなっちゃうから……っ」



泣くな、こころ。


最後まで笑うって決めたじゃん………。






「嫌いになんか、ならなかったよ。

遠恋なんて、無理だと思ったから。
俺には、こころを幸せにできなさそうだったから……」



そんな辛そうに言わないで……?












< 233 / 260 >

この作品をシェア

pagetop