キミが、好きです ~茜色の空の下~
――――………
真っ青な顔で優しく眠る莉歩。
儚くて、哀しい顔……。
――コンコン。
――――ガラッ。
病室に入ってきたのは、白衣の医師。
「……南莉歩さんのご親族ですか?」
「はい……夫です」
そう言うのは、未だに慣れないし、
くすぐったい。
「そうですか。
南さんのご両親は……」
「……亡くなってます。
あの、莉歩は……元気ですよね?」
「………元気だよ」
声を発したのは、目の前にいる医師ではなかった。
意識を失っていたハズの……莉歩だった。
良かった………目を覚ましてくれて、良かった………。