キミが、好きです ~茜色の空の下~
そんな会話をしたのを思い出した。
「俺は、莉歩の側にいるっつっただろ?」
「叶多……」
俺は笑顔で莉歩の頭を撫でた。
「何か買ってきて欲しいモノ、あるか?」
莉歩はしばらく考えたあと、
手を叩いた。
「お菓子とー……とりあえず、タオル!
着替えもタオルもあるけどさ。
きっと……足りなくなりそうだから」
俺は『了解』と親指を立てて莉歩に見せると、
病室を出た。
っつーかタオルってどこに売ってんだろ………。
「あ。絢ちゃん、走っちゃダメよー!!」
ちょうど、同じ階に看護師がいた。
「あの。この辺でタオルが売ってる店、ってありますか…?」
「あぁ、タオルでしたら……一階のコンビニにも売ってますよ?」
「ありがとうございます」
振り向きざまに言った看護師の
笑顔がなんか………引っ掛かる……。
今まで閉ざしていた扉の鍵を開けられたかのように………。