キミが、好きです ~茜色の空の下~
少し経って病室に戻った。
その時、莉歩が看護師を呼び止めた。
『こころちゃん』と。
「……っえ…!?
……………………こころ……?」
目の上で切られていた前髪は、
横に流されていて。
栗色の肩の上くらいの髪の毛は、
サイドで結ばれていた。
だから……さっき会ったときは分からなかった。
「こころ。
………話、しない?」
「……叶多くん…。
うん、いいよ………」
こころが悲しんでいたことは、
辛い思いをしてたことは、よく分かる。
だからこそ………
ちゃんと、別れを言いたいんだ――――――。