キミが、好きです ~茜色の空の下~
「それって……「赤ちゃんだよ。検査のときに、見つけたんだって。知らなかった?」
あたしは頷いた。
嘘…………、あたしのお腹の中に赤ちゃんが……?
「だからね、私と叶多くんが付き合ってたことは、
もう忘れていいよ?
考えこまないで。
それに……『ごめんね』だけで、今までモヤモヤしてたのが
スッキリしたよ」
「………こころちゃん」
『ごめんね』じゃないよね。
今、伝えるべき言葉は
―――……『ありがとう』だよね。
「こころちゃん、ありがとぉ……っ」
「ううん。
莉歩ちゃん、おめでとう」
こころちゃんの優しい穏やかな笑顔が
あたしの涙腺を壊した。