キミが、好きです ~茜色の空の下~







「それって……「赤ちゃんだよ。検査のときに、見つけたんだって。知らなかった?」





あたしは頷いた。






嘘…………、あたしのお腹の中に赤ちゃんが……?





「だからね、私と叶多くんが付き合ってたことは、
もう忘れていいよ?
考えこまないで。


それに……『ごめんね』だけで、今までモヤモヤしてたのが

スッキリしたよ」


「………こころちゃん」




『ごめんね』じゃないよね。




今、伝えるべき言葉は




―――……『ありがとう』だよね。









「こころちゃん、ありがとぉ……っ」


「ううん。
莉歩ちゃん、おめでとう」




こころちゃんの優しい穏やかな笑顔が

あたしの涙腺を壊した。














< 257 / 260 >

この作品をシェア

pagetop