キミが、好きです ~茜色の空の下~
羨ましいんだ。
そういう理由で、
南くんと手を繋げることが。
「ごめん、今の忘れて…?
気にしないで……」
少し俯いて言うと、
視界に色素の薄い瞳と、
整った顔が近づいてきた。
「嫌なことと重ねたのか……?」
南くんが、あたしの顔を覗き込んだみたい。
……近すぎるよ。
―――トクン、トクン…。
「ちょっと……恋愛が……」
と言っても、
南くん張本人のことなんだけどね………。