キミが、好きです ~茜色の空の下~
「何だよ、その覚えてなさそうな顔……」
「え?あ……ごめんなさい……?」
あたしがそう言うと、
南くんはクシャッと笑った。
「ははっ……最後疑問系だし…っ!
本当に忘れたん?
『叶多』って呼んでって言ったじゃん」
うーん……。
言われたような、
言われてないような………。
叶多くん…………叶多くん……………。
何度も唱えてみる。
「か、叶多くん……」
心の中では呼べるのに、
声に出してみると、
なんか恥ずかしい……。