キミが、好きです ~茜色の空の下~
「うぅ……ゆめ、叶多くんと離れたくないーっ!!」
よっぽど叶多くんが気に入ったのか、
学童についても
なかなか叶多くんの手を離さないゆめ。
「ゆめちゃん。俺、こころとデートだからさ。また今度、話そ?」
そうやってゆめを宥めている。
ゆめも渋々うなずいて、
『バイバイ』と別れてから、
あたしと叶多くんは駅に向かった。
そういえば…叶多くんの私服を見るのは初めて。
今日の格好はまるで雑誌からそのまま出て来たくらい、かっこいい。
「ゆめちゃん、ませてんね」
「はは……本当、困るよ」
「それにしても、『こころ』に『ゆめ』って、いい名前だよなー」
自分の名前、
誰かに褒められたことなんてないから、
素直に嬉しい………。