君の命の果てるまで
第1章 過失

目が覚めて

ふと、目が覚めた。



無音、無臭の世界。



――ああ、私、死んだんだ。



瞼をそっと持ち上げると、まばゆい光が入り込んできて、思わず目を眇めた。

夢を見てるみたいだ。

死後の世界って、こんなに明るいものなのだろうか。




やっと目が慣れてきて、白い天井が見えた。

天国にも、天井があるなんて知らなかった。




そっと、辺りを見回す。




違う。




ここは、天国なんかじゃない。

むしろ、『地獄』。




小さい頃から何度も閉じ込められて、外に出してもらえなかった部屋。



白い正方形のその部屋では、毎日誰かの生死のドラマが繰り広げられる。




そして私は―――




生きているというわけだ。

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