君の命の果てるまで
生まれつき心臓が弱い私は、小さい頃からみんなと同じことができなかった。

ちょっとした運動も、私にとっては命を脅かす恐ろしいもの。

だから、どれほどみんなと一緒に駆け回りたくても、できなかった。

集会の時も、体育館に着くのは、いつも最後だった。



成長して、周りの目が気になるようになって。

私は、自分の病気を憎んだ。

そして、口には出さなかったけれど、母のことも。



私の父は、ずっと前に同じ病気で亡くなった。

優しくて、温かい父の思い出は、今でも私を悲しくさせる。

私は、そんな父のことが、大好きだった。



だけど、私はずっと思っていた。

遺伝する確率が高いって分かっていたのに、どうして私を産んだの?と。

苦しむのが分かっていたくせに。



そんなこと言えなかった。

言うわけなかった。



だけど、あの日。



こうなる前の日に、私は言ってしまったんだ。




母に―――
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