君の命の果てるまで
それからの私は、恐ろしいくらい自分を見失ってしまった。

本当につらいときは、涙も出ないんだって、そう思った。


突然野生に放されたペットみたい。

急にエサがもらえなくて、面倒も見てもらえなくなって。

自分で狩りをしなきゃならなくて。


でも、ペットは今まで、誰も教えてくれなかったから。

一人で生きる術を、教えてもらわなかったから―――



心細くて、悲しくて、ただ、温もりが恋しい。

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