君の命の果てるまで
そんな状態のまま、食事も全く口にせずに、数日が過ぎた。



私が一番寂しい時。

それは、夜。



ただでさえ一人の病室は、闇に包まれて私の心細さを増幅する。

眠ってしまえば楽になる。

でも、眠ることすらできない。


だって、眠ると必ず、夢を見るから。



それは、決まって幸せな夢。

両親に手を繋がれて歩いていた。

左右どちらを見上げても、優しい笑顔があるのが嬉しいから。

私は、何度も何度も、代わる代わる見上げて歩いた。



そんな夢を見た日は、一度起きるともう眠れない。

泣きたくても泣けなくて、ただ、喉の奥がひりひりするような、悲しみに耐えるだけ。



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