ナナイロのキセキ
「で?行くの?」
「はい・・・。とりあえず、今度の水曜日に約束したんですけど・・・。」
「おっ!来週だね!へー、いいなあ。なんだか恋がはじまるにおいがする。」
「ええっ!!」
(こ、恋!?)
私はそのひとことに、全身が熱くなる。
「どうしたの、固まっちゃって。」
「い、いえ・・・。なんか、実際、恋とか名がつくと、ちょっと恥ずかしくて・・・。」
「なんでー?いいじゃん、恋!しなくっちゃ!私は彼氏と長いから・・・だいぶ落ち着いちゃってるけど、新しい恋はトキメキも多そうでいいなー。」
キラキラと目を輝かせる有馬さん。
(長く付き合ってる彼がいるほうが、安定してて、うらやましい気もするけど・・・。)
「うれしい、し・・・、楽しみな気もしますけど・・・・。こういうこと、久しぶりすぎて、坂下さんにドキドキしてるのか、誘われたってこと自体にドキドキしてるのか、よくわからなくなっちゃって・・・。」
「ふーん、そっか。だいぶ彼氏いないって言ってたもんね。まあ、多分どっちもじゃない?とりあえず二人でゆっくりごはんでも食べたら、きっと何かがはじまるよ!」
「は、はい・・・。」
キラキラ気味の有馬さんのペースに、少し戸惑いつつ。
恋という名がつきそうなことに気づき、私のドキドキは、さらに水曜日まで加速していった。