ナナイロのキセキ
すると、意外なほど授業はおもしろく、マッサージをすることも楽しくて、アロマセラピストの資格を取ると、そのまま迷わず系列店に就職を決めた。
(先生が推薦してくれたから、スムーズにいったんだけど・・・。)
働き始めると、ひとに触れるという緊張や責任感、接客の難しさに、悩むこともあるけれど。
やっぱり仕事は楽しくて、これは天職なんだ!!と、自分では思っている。
(ふう、寒かった・・・。)
重いガラスのドアを開け、暖かな店内へ戻ると、二年先輩の有馬さんが、にこっと私に笑いかけた。
「おつかれさま。寒かったでしょ。」
「はい。半袖で外は・・・短時間でもやっぱり寒いですね。」
白衣からでた腕を両手でさすりながら、苦笑いで返事をする。
(マッサージの施術中は、身体使うから半袖でも暑いくらいなんだけど・・・。外との気温差は大きいな。)
「もう上がりだったよね。お茶でも飲んで、あったまってから帰りなね!」
「あ・・・そうですね。ありがとうございます。じゃあ、お先に失礼します。」
「はい。おつかれー。」