ナナイロのキセキ
ざく、ざく、ざく・・・。

4日ぶりの休日。

私は、緊張感あふれる面持ちで、キャベツの塊に包丁を入れていた。

「ねーえ、ナナ。千切りキャベツ、見たことあるよね?」

「も、もちろん!」

「じゃあ、なんでこんなに太いの!?1cmはあるわよ。」

「これでも、がんばって細くしてるつもりなんだけど・・・。」

亮一さんの好きな料理を覚えようと、お母さんに頼んで料理を教えてもらうことにした私。

豚の生姜焼きは意外と上手くいったものの、つけあわせのキャベツ・・・千切りに、かなり四苦八苦していた。

「今、カット済みのキャベツ売ってるわよ。

それ使ったらいいじゃない。」

「ダメ!自分で切ったっていうのがポイントなの。」

「あー・・・はいはい。」

「仕方ないなあ」と言いながら、私の手元を見つめるお母さん。


(はー、料理って難しい・・・。

からあげも出来るようになりたいけど、油はねるの怖いし・・・。

前途多難・・・。)


「でも、突然料理教えてなんて言うから、びっくりしたわ。」

「え?」







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