ナナイロのキセキ
「来月・・・ですか?」

「うん。シフト希望だせば、どこかで2連休取れるだろ?」

「はい、それは・・・大丈夫だと、思いますけど・・・。」

「うん?」

歯切れの悪い返事に、亮一さんが聞き返す。

早い時で2週間。

あとは・・・3、4週間に一度。

遠距離になってから会う頻度は、だいたい、それくらい。

メールや電話で、毎日連絡はしているけれど。

遠距離だからという理由で当たり前になりつつあるその感覚を、私はやはり、さみしいと思う。

「もう少したくさん、会えたらいいのになって。」

「・・・ああ。うん、そうだね・・・。」

沈黙が流れる。

頻繁に会えるような距離じゃないことは、わかっているのに。

亮一さんを、困らせてしまったかもしれない。

「・・・ナナ、遠距離、つらい?」

「えっ?」

突然の問いかけに、私はドキッと言葉に詰まる。

「・・・つらい、って・・・ほどではないかもしれないですけど・・・。

やっぱり・・・もっと、会えたらうれしいなって・・・。」

「そっか・・・。」

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