ナナイロのキセキ
会いたい気持ちと、負担をかけたくない気持ち。

簡単ではない距離。

やっぱり、無理してないなんて思えない。

それでも亮一さんは、「来てほしい」って、私が言うのを望んでいるのかもしれない。

素直に甘えれば、甘えられれば、亮一さんは喜んでくれるのかもしれない。

でも、やっぱり・・・。

無理はしてほしくない。

振り回したりもしたくない。

どうしたらいいんだろう。

どう言えばいい?

思いを巡らせ、私は言葉を振り絞る。

「会いたいけど・・・無理してほしくなくて・・・。」

声が震えた。

「だから・・・無理してるわけじゃないんだ。オレは・・・。」

「でも・・・。」

また、「でも」って、言ってしまった。

堂々巡りな会話。

私は本当に、中途半端。

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