ナナイロのキセキ
それからは、とんとん拍子に事が進んだ。

「横浜に戻りたい」という私の希望に尽力してくれたのは、横浜店の店長だった。

「うちは大歓迎!すぐに引き戻すわ!」

と言って、神戸店の店長にいろいろと掛け合い、私の横浜行きを了承させてくれたのだ。

とはいえ。

お客さんの予約も入っているし、亮一さんが戻るのも2か月後の9月なので、業務的に余裕をもって、私は10月に横浜店へ戻ることに決まった。

スタッフはもちろん、指名してくれるようになったお客さんにも申し訳なく思ったけれど、「結婚するならめでたいやん!」と、みんな笑顔で祝福してくれた。


そして。

約1年半ぶりに横浜に戻ると、私はとりあえず実家に住むことになった。

まずは職場に挨拶を・・・と、久しぶりに訪れた横浜店の職場。

うれしいような恥ずかしいような、なんとも言えない気持ちで出勤したけれど、

店長や有馬さんをはじめ、みんなが「おかえり!」といって温かく迎えてくれたので、

うれしくて懐かしくて、思わず涙が出そうになった。

< 252 / 261 >

この作品をシェア

pagetop