ナナイロのキセキ
冬の終わりを知らせるような、よく晴れたあたたかい日。

みなとみらいを一望できる結婚式場で、私たちは新郎新婦になるための準備に取り掛かっていた。

「わあ・・・!」

純白のドレスに身を包み、ヘアメイクを施してもらうと、ティアラの輝きも手伝って、本当にお姫様になったような気分だった。

鏡の中の自分が、夢のように映る。


(本当に、結婚するんだな・・・。)


現実だと思いながらも、どこかぼんやりとしていた夢が、いま、私の中でリアルを感じさせている。

ぐっと鏡に顔を近づけ、つけまつげの威力に驚いていると、コンコン、とドアをノックする音がした。

「はい。」

メイクさんが返事をしてドアを開けると、別室で準備をしていた亮一さんが入ってきた。

「うわ!・・・かわいいな。」

私を見るなり、うれしそうに目を細める亮一さん。

「ありがとう・・・。」

「うん。・・・本当に、お姫様みたいだな。」

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