ナナイロのキセキ
見下ろす視線がやさしくて、うれしくて、思わず顔がほころんでしまうけれど。

ウェディングスタッフがたくさんいる中での発言に、恥ずかしくなった私は、ついつい下をむいてしまう。

「ほんとに、かわいいお嫁さんですね。」

「新郎様もステキですよ。」

スタッフの方は慣れているのか、亮一さんの言葉を、つなげて一緒に盛り上げてくれた。


(うん・・・。

亮一さんのタキシード姿もかっこいい。)


王子様みたい、と私も同じく思ったけれど、私はあえて、言わないことにした。


「では、親族控室に移動をお願いします。」

ウェディングプランナーさんに促され、私たちは親族が集まる部屋へと移動した。

部屋に入るなり「わー!」とか「かわいい!」「ステキ!」などという歓声が上がり、亮一さんと二人で顔を見合わせて微笑んだ。

お父さんは、私を見るなり感極まったらしく、「ううう・・・」と嗚咽を漏らしながら目元をハンカチで拭いている。

「ちょっとお父さん、早いよ・・・。」

「うう・・・。」

お母さんは、また、やれやれと肩をすくめる。





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