ナナイロのキセキ
ちゃんとヴァージンロードを歩けるだろうかと心配していると、そばにいた亮一さんがお父さんの前に進み出た。

「お義父さん。」

亮一さんに呼ばれ、震えていたお父さんの肩がピタリと止まる。

「菜々子さんは必ずオレが幸せにしますから。

安心してください。」


(亮一さん・・・。)


はっきりと、なんの迷いもない言葉。

自信に満ちたその言葉に、うれしさと感動がこみ上げる。

「・・・頼んだぞ。」

最後に一度、目元をギュッと押さえると、お父さんは亮一さんの腕をポンとたたいた。


「では、新郎様はこちらへ。」

神父様の元で、私たちを待っていてくれる亮一さんを先に見送る。

お父さんと二人になった私は、心配と感謝と気恥ずかしさと、いろいろな気持ちがごちゃまぜになって、「よろしくね」と声をかけた。

「ああ・・・。もう、あんまり話すな。」

また涙腺がゆるむと思ったのか、そう言ってから、お父さんは口をキュッと固く結んだ。

それから、私とお父さんが呼ばれ、腕を組んでチャペルの扉の前に立つ。

パイプオルガンの音が響くと、真っ白なドアが開かれた。


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