ナナイロのキセキ
(わっ・・・!)


やっぱり、夢なのではないかと思う。

眩しくて、あたたかな光に包まれた空間。

大切なひとたちに見守られたヴァージンロード。

その道の先には、大好きなひとが待っている。

お父さんに視線を送る。

無言でうなずくと、二人でゆっくりと歩き始めた。

祭壇の前に辿り着くと、お父さんは私を静かに亮一さんに託してくれた。

讃美歌に導かれながら、神父様の言葉に耳を傾け、生涯の愛を誓い合う。

お互いの薬指にはめられた、約束のしるし。

「では、誓いのキスを。」

亮一さんが、ゆっくりとヴェールを上げていく。

私は、緊張と恥ずかしさで、目線を合わすことすらできないでいる。

うつむいたままの私の肩に手を置くと、すくいあげるように、亮一さんは私にキスをした。


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