ナナイロのキセキ

(大人・・・そうだよね、11コも離れてるんだもん。)


私が知らないことをたくさん知っていて、私が緊張するようなことも、坂下さんはなんともないのかもしれない。


「ふふ、うん!なるほどね!で・・・、まあ、とにかくいい感じだったんだ?」

「・・・はい。」


うれしさと、恥ずかしさをごちゃまぜにしたような、そんな気持ちで私は答えた。


「じゃあ、付き合うのも時間の問題かな?」

「それは・・・!えーと、まあ・・・そうなればいいかなって、思ったりはしてますけど。」

照れ隠しで、めちゃくちゃまどろっこしい言い方をしてしまう。

「そんなー。照れない照れない!いいなー、なんか初々しくて。とりあえず、水曜日楽しみだね。」

「・・・はい。」


うりうり!と、ひじでつつかれて、思わず頬がゆるみそうになる。


(いけないいけない・・・。)


「両思いは確定してるけど、うまくいくといいね!応援してる。」

「は、はい・・・!ありがとうございます。」


有馬さんの笑顔に、また、いっそうの勇気をもらう。


(あと6日か・・・。)


あと6日で、また会える。


休憩を終えて、仕事に戻る。

こうやって、仕事をして。

朝が来て、夜がきて。

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