ナナイロのキセキ
「かわいいお店ですね。」

「うん。牧野さん、こういう方が好きかなと思って。」

「はい。落ち着くし・・・、好きです。」

「そっか。よかった。」

坂下さんは、ほっとしたように微笑む。

きっと、今日のお店も、私のことをいろいろ考えて決めてくれたのだろう。


(この前のお店もステキだったけど・・・こういうお店に詳しいのって、

デートでよく来てたりしたのかな・・・?)


ふっと感じてしまった疑問。

私は少しだけ遠まわしに、坂下さんに質問する。

「あの・・・。ここ、よく来るんですか?」

「うん。よく・・・というか、たまにだけど、会社の人と。」


(会社の人・・・。)


「後輩の女の子・・・とか・・・?」

「えっ!?いや、男ばっかりで4人とか。・・・夜はこんな感じでカップルとか女の子が多いけど、

隣はビジネス街だからね。昼はサラリーマンも多いんだよ。安いしうまいし。」

「そうなんですか・・・。」

私はちょっとほっとする。


(こんな雰囲気だから、女の子と来るのかと思っちゃった。)



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