ナナイロのキセキ
「牧野さんは、この辺に昼食べに来たりしないの?」

「そうですね。うちの職場はみんな休憩室で食べるので・・・。

出勤時にコンビニでお昼買っておくことが多いですね。」

「そっか。昼時、忙しそうだもんね。」

「はい・・・。指名で延長が入ったりすると、休憩ほとんどとれないこともあるので・・・。

昼休みは、あの辺りのサラリーマンの方がよく来てくれるので・・・って、あっ!」

「ん?」

「そういえば、坂下さん、最近来ないですね。」

話しながら気づいたことを尋ねると、坂下さんんは少しバツの悪そうな顔で黙り込んでから、戸惑いがちに口を開く。

「・・・この状況で、牧野さんのお店に行くのは、さすがに恥ずかしいというか、

気がひけるというか・・・。あと、ストーカー的な恐怖とか、

感じさせても申し訳ないし。」

「えっ!?」

「指名制だから、急に行かなくなったら上司からなにか言われるかなとか、

給料に響くのかなとかも、考えたんだけど。」


(そんなこと心配してたんだ!・・・ふふっ、ちょっとかわいいかも・・・。)


「そんなこと、心配しなくて大丈夫ですよ。」

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