ナナイロのキセキ
「会社で、その・・・女の子に誘われたりとか・・・ないんですか?」

「あ、ああ。そうだね・・・。うちは本当に、男ばっかりだし。」

「じゃあ、学生の頃は?」

「・・・それも、高校から男子校だったし。

大学は工学部で、やっぱり男ばっかりだったしね。

モテたことなんて、一度もないよ。」


(そうなんだ・・・。)


「で、でも、彼女とかは・・・?」

「・・・それはまあ・・・。この歳だから、まあ、それなりに・・・。」

「それなり・・・?」

「・・・ごく数人だよ。本当に。」

明らかに困らせているのに、勢いが止まらなくなった私は、さらに不安をぶつけてしまう。

「転勤したら、女の子多いかもしれないですよ?」

「いや、多分この業界は、基本的に男が多いから・・・。」

「でも!モテちゃうかもしれないじゃないですか・・・。

神戸とか、かわいい子が多そうだし、

関西弁なんて、それだけでもうかわいいじゃないですか・・・。」

私が思いつめたように力説していると、坂下さんは急に表情を緩め、ふっと笑い出す。

「な・・・、なんですか!?」

「いや、かわいいなと思って。」

「え!?な・・・、どこがですか!?」

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