ナナイロのキセキ
「だって、ヤキモチやいてくれてるのかと思って。」

「えっ・・・!」


(ヤキモチ・・・。そうか・・・。

そういうこと、なのかな・・・?

でも、私、彼女でもないのに一方的に・・・!)


はっと、自分の言動の気持ちに気づき、急に恥ずかしさがこみ上げてくる。


「牧野さんのヤキモチなら、オレは大歓迎なんだけど。」

坂下さんににこっと微笑まれ、私は言葉に詰まってしまう。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

じらすような沈黙が流れる。

どうしようかと、火照った頭で私は考えをめぐらせる。


(何か、何か言わなきゃいけないかな・・・!?)


「牧野さん。」

そんな雰囲気を打ち消すように、やさしい声が私を呼ぶ。

「オレと、ちゃんと付き合ってくれないかな。」

「・・・え・・・。」

一瞬、時間が止まったように鼓動が止まる。

ずっと待っていた言葉に、うれしさよりも驚きが先にきて。

再び鼓動が動き出すと、今まで以上のドキドキが、私の胸を激しく騒がす。
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