ナナイロのキセキ
「・・・そうだな、詳しいというか・・・。

ゲームでシミュレーション考えるから、女の子が好きそうなお店とか、

シチュエーションとか、多少調べたりしてるからかな。

と言っても、それが実際の女の子にウケるかというのは、

全く別問題なんだけど・・・って、こんなこと話したら、

完全にオタクなマニュアル男だっていうのがバレバレだな・・・。」

語りながら、途中ではっとしたように落ち込む坂下さん。

その姿が少しかわいくて、私は思わず笑ってしまう。

「・・・ウケてますよ、私には。」

「え?」

「坂下さんが連れて行ってくれるお店、緊張することももちろんあるけど、

どこもステキで、いつも、とってもうれしくなりますよ。」

私は、まっすぐに坂下さんを見つめると、思っていることを素直に伝える。

「・・・そ、そっか・・・。」

メガネを押し上げて少しうつむいた坂下さんの顔が、ほんのりと赤くなっていた。



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