ナナイロのキセキ
やっぱり、坂下さんは大人だ。

私は自分のことばかりで、自分の気持ちのことしか

考えていなかった。


(子どもじゃないなんて言って・・・私、まだまだ

子どもだな・・・。)


自分が恥ずかしくなって、私はなんとなくうつむいてしまう。

そんな私の頬に、坂下さんはそっと触れる。

「永遠の別れじゃないしね。」

「・・・そう、ですよね。」

「うん。」

「・・・。」

「・・・なんて言っておきながら・・・これくらいは許してもらおうかな。」

そう言った坂下さんは甘く微笑むと、私にやさしくキスをした。
< 77 / 261 >

この作品をシェア

pagetop