ナナイロのキセキ
(やっぱり、こんなこと・・・。)


言ってから、火が噴くほどの恥ずかしさに見舞われる。

私は両手をぎゅっと握ると、それを見つめるようにしてうつむいた。

次の瞬間。

右肩を押さえられると、唇を下から押し上げるように、

坂下さんは私にキスをする。

「!!!」

次第に深くなっていく口づけに、助手席のシートが軋む。

息が上がりそうになり、坂下さんの腕をつかむと、

さらに深さが増していき、私はただ、それを受け止めることしかできない。

一旦唇が離れると、「好きだよ」と甘く囁かれる。

恥ずかしさに思わず身震いすると、再び唇が重なった。

今度はやさしく、寄り添うようなキスをする。


(坂下さん・・・。)


もう一度、私はつかんだ腕に力を込める。

そして私たちは、お互いの気持ちを伝えるように、

何度も、長いキスをした。
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