ナナイロのキセキ
「いえ・・・。」

いつもなら、ホープだなんてうれしいはずの言葉なのに、

今はどんよりと返事をすることしかできない。

「そうでもないの?

うーん、まあどっちにしろ成果がでてるのはいいことだわ。

これからもがんばってね!」

「はい・・・。」

店長は、にこにこしながら去って行く。


(はあ・・・。)


でも確かに、私が今出来ることは、仕事をがんばることだけだ。

指名してくれるお客さんだって、どんよりとしたセラピストに

身体を触ってもらいたくないだろう。

それに。

坂下さんのことばかり考えて、寂しくなって。

会いたいとか、わがままを言ってはいけない気がする。


(でもやっぱり・・・。)


会いたいな。






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